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生存者たちの話    

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檻の出口を探す羊のように、逃げ惑った

  • Victoria P.'s story

運転する夫に叫んだ「何が立ちはだかっても、そのまま突き進んで!」

10月7日の大虐殺から9日が経った。私たちがどうやって脱出できたのかについて、友人から数えきれないほど質問を受けたので、私は自分たちの体験を書き残すことに決めた。

土曜日の朝、KUMTA(レッドアラートアプリ)の警報が鳴った。 緊急警報が大音量で鳴り響いたとき、ヤキル(夫)と話す時間はなかった。私たちはいつも通り落ち着いて、子供たちの様子を見に行った。一番下の子を連れて、我が家のセーフルームである子供部屋に行く直前、「サイレンが一回鳴っただけで、セーフルームに行く必要はないかもしれない」という考えが頭をよぎった。


午前6時半になっても、サイレンは鳴り止まなかった。 私たちは子供たちをセーフルームに連れて行き、危険を冒さないことに決めた。 ドアをノックする音が聞こえ、ドアを開けると隣人が息を切らして立っていた。彼女は家で一人で子供3人の面倒を見ていた。ヤキルは彼女を中に入れて落ち着かせた。その間、私は彼女の家に駆けつけ、子供たちをなだめた。彼女自身が落ち着き、子供たちのところに戻ってくるまで、私はそこにいた。


今がその時なのよ!」「道路は死体と血と穴だらけの車でいっぱいなんだぞ!」「今、行くの!!!」

外に出て、この非常状況について近所の人たちと冗談を言い合っていると、突然、絶え間ない銃声が聞こえてきた。隣人のひとりが、テロリストが侵入したと叫んだ。それでも私は冗談めかして、「きっと、ここスデロットではないわ」と言った。テロリストがスデロットまで侵入するのは相当な難しいことなのだ。『ニンジャ・タートルズ』が潜入しようと思ったら、イスラエル国防軍に気づかれて殺されるに違いない。

だが、今回はそうではなかった。彼らは私の家の近所、すぐ隣にいたのだ。『ニンジャ・タートルズ』のジープが5台ほど侵入し、それぞれのジープに7~10人のテロリストが乗っていて、あらゆる方向に無差別に撃ちまくった。 万全を期すため(私たちは裏庭のあるアパートの1階に住んでいる)、私たちは5階に住む隣人の家に向かった。彼女は素晴らしい隣人で、私たち一家5人ともう1組の4人家族を3LDKのアパートへと、忍耐と感受性と愛情をもって受け入れてくれた。私は彼女に一生感謝し続けるだろう。


「まだテロリストが大量に歩き回っているんだぞ」「あら、じゃあコーヒーを飲んでタバコを吸いながら待っていればいいって?

銃撃は一向に止まなかった。 治安部隊、軍隊、誰も来なかった。銃声とサイレンが鳴り響き、私は子供たちの正気と平静を保つために必死だった。 午後4時近くになって、国防軍が到着し始めた。けたたましい騒音の中、ただ生きてこの惨状から逃れたいという恐怖でいっぱいだった。同時に、周辺のキブツの被害が聞こえてきて、市役所からも「屋内にとどまり、部屋中の鍵をかけ、静かにして玄関から離れるように」という連絡が届いた。さらに、ニル・イツハクに住む友人たちから、家にテロリストが侵入したという死を覚悟したような別れのメッセージが届いた。緊張や不安が重くのしかかり、友人たちがまだ生きていることを確認しようと、必死で連絡を取り続けた 夕暮れになり、戦車が到着した。そう、戦車!上空には戦闘ヘリコプターが飛んでいた。 夜が訪れたが、平和な夜ではなかった。町中に、銃声やサイレンが鳴り続け、濃い煙が立ちこめていた。


日曜日、眠れぬ一夜を過ごし、24時間食欲もなかった。私は子供たちをこの恐怖の中に放っておけないと決心し、スデロットを離れることにした。正午ごろ、ヤキルが「本当に出発するべきだろうか?」と言うので、私は震える声で「そうよ、今すぐ!!!」と叫んだ。「まだテロリストが大量に歩き回っているんだぞ」「あら、じゃあコーヒーを飲んでタバコを吸いながら待っていればいいって?今すぐ出発するのよ。町には軍隊がたくさんいるから、テロリストたちは隠れているはず。今がその時なのよ!」「道路は死体と血と穴だらけの車でいっぱいなんだぞ!」「今、行くの!!!」

私たちはほとんど何も持たず、子供たちを車に乗せ、説明をした。「息をすること以外は、何もしてはだめよ。」


出発するとサイレンが鳴った。ヤキルが壁に寄せて停車すると、ミサイルが向かいの道路に落ちた。彼は再び 「本当に行くべきか?」と尋ねた。「今よ!」と答え、ヤキルにこう指示した。「何が立ちはだかっても、走り続けて、そのまま突き進んで!!!」

シェマ・イスラエル(申命記6:4)を唱え続けた。今までに感じたことのない恐怖の数分間。なんとか生きて帰れるよう神に祈った。映画でしか見ないような光景を目の当たりにしながら、私たちは町を走り抜け、232号線に出た。息も絶え絶えになりながら、なんとか子供たちを救えたことを神に感謝した。 ヴィクトリア・P



WhatsApp screenshot - "terrorists are in our home, we love you"

ニル・イツハクの友人からのメッセージのやり取り


メッセージの内容


11:13 友人

テロリストが家に侵入した。君たちを愛している。私たちの出会いに感謝❤️

11:15 私

何だって?

きっと大丈夫だわ。

状況は?今!


11:15 友人

彼は1人だ


11:16 私

伏せて。

今すぐ。

状況を教えてください

11:19 私

無事かどうかメッセージください。



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